歯ぎしりと食いしばりについて

歯ぎしりと食いしばりについて


みなさん、こんにちは(^^)

歯を守る歯科西新宿五丁目歯科衛生士の伊藤です(^O^)/

今回は歯ぎしり、食いしばりについてお話ししたいと思います^_^

みなさん歯ぎしり、食いしばりはしていますか?

中には歯ぎしり、食いしばりの自覚症状が無い方もたくさんいらっしゃいます。

まず歯ぎしりと食いしばりってなんでしょうか??

【歯ぎしり(ブラキシズム)とは?】

上下の歯で食いしばり、キリキリ、ギチギチと擦り合わせることです。

この歯ぎしりはブラキシズムとも呼ばれ、グラインディング・クレンチング・タッピングの三種に大別されます。

グラインディングは無意識に上下の歯を強くこすり合わせながら、横に滑らせる動きのことをいい、ブラキシズムの中でも最も歯へのダメージが大きい動きと言われています。

正確な定義を考慮すると微妙に異なりますが、所謂世間一般で呼ばれる「歯ぎしり」はグラインディングを指すことが多いです。

クレンチングは上下の歯を強く噛みしめる動きのことをいいます。所謂「食いしばり」ですね。重たいものを持つときに食いしばる動きというとイメージがつきやすいかもしれません。

タッピングは上下の歯を素早くカチカチと鳴らすように合わせる動きをいいます。このタッピング自体は歯への負荷は小さく一時的な現象とされています。

【歯ぎしりの原因】

では歯ぎしりをする原因は何でしょうか?

歯ぎしりの主な原因はストレスと言われています。(=精神的因子)

そして噛み合わせや骨格も歯ぎしりをする原因です。(=咬合因子)

ただ歯ぎしりをすることによってストレスを発散させていると言われています。

特に歯ぎしりは眠りが浅いレム睡眠のとき、無意識に筋力に力が入ってしまうことで歯ぎしりは起こります。

一般的に人間の噛む強さは自分の体重程度ですが、睡眠中の無意識下にしている歯ぎしりの時にはなんと300kgもの力が加わっていると言われています。(※ちなみに論文によっては500kg~1000kgというものも・・・。)300kgって…相当な力が自分の歯に加わっていますよね。

そんな相当な力が歯や顎に加わっていたらそりゃ痛くなりますよね。

約8時間の睡眠で約15〜30分間も強い力で歯ぎしりしていると言われています。

そりゃそんな長い時間毎日歯ぎしりしていたら歯もすり減りますよね。

【歯ぎしりのデメリット】

歯ぎしりをすることでどんなデメリットがあるのでしょうか?

①エナメル質が削れて歯がすり減る(摩耗する)

②知覚過敏になる

→歯ぎしりで歯が揺さぶられることによって歯と歯茎の境目のところがくさび状に削れていきしみる症状が出ます。

③詰め物や被せ物が取れるリスクがある

④顎への負担が大きい

→顎関節症といってアゴが痛くなったりカクカク、ピキっと鳴ったり、口が開かなくなることがあります。

⑤歯の根っこが割れる

→特に歯の神経を取って根管治療した歯によく見られます。

まれに神経が生きている歯も割ってしまう方もいます。割れるまでいかなくても歯にヒビが入ることはよくあります。

⑥歯周病が悪化する

→強い力が加わることで歯の根っこやその周囲の骨組織に負担をかけて、その部分だけ骨が吸収してしまうことがあります。

⑦噛み合わせが崩れる

⑧睡眠の質が悪くなる

→睡眠不足になると免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなったりします。

⑨頭痛、肩こりの原因になる

→歯ぎしりによって咀嚼に関わる筋肉を傷めやすいため、その影響で頭痛わ肩こりが慢性化してしまうこともあります。

⑩エラが張る

→長期間歯ぎしりを放置してしまうとだんだんエラが張ってきて顔が大きく見えるようになることがあります。

このように歯ぎしりには様々なデメリットがあります。

【食いしばり(クレンチング)について】

次に食いしばりについてお話します。

寝ている時や日常生活で集中している時に無意識にグッと歯を食いしばることです。

特に下を向いている時やパソコンやスマホを触っている時、料理をしている時は食いしばっていることが多いので注意が必要です。

歯ぎしりのように音があまり鳴らないので周りの人も本人も気づかないケースが多いです。

食いしばりも歯ぎしりと同様、ストレスや噛み合わせの悪さが原因と言われています。

先ほど歯ぎしりのように音が鳴らないから本人も食いしばりをしているのに気づかないとお話ししましたが、自分が食いしばりをしているかどうか簡単にわかるチェック方法があります。

①頬の内側(頬粘膜)に横に向かってスジ(=クレンチングマーク)がある。

→鏡で頬の内側を見てみると真ん中らへんに白くスジがあることがあります。

通常このスジはありません。

食いしばりがある方は日常的に上下の歯でグッと噛んでいるため頬にスジができるのです。

②首、肩コリ、頭痛がある

→身体のバランスが崩れると無意識に身体に力を入れ続けてバランスを保とうとするため、筋肉や神経が常に緊張していて、首や肩コリ、頭痛に繋がってしまうことがあります。

常に力が入っていると日常生活で息を深く吸ったり吐いたりすることが出来ず、呼吸が浅くなり体内に十分な酸素を取り込めないので身体のコリに繋がります。

③夜熟睡出来ず、日中ウトウト眠くなってしまう

→通常寝ている間は副交感神経が優位になり、身体が休息モードに入りますが、寝ている時に食いしばっていると交感神経が優位になるため、身体が休まらず寝ても疲れが取れないため日中眠くなってしまいます。

④朝起きるとアゴが痛い、疲れている

→寝ている間に食いしばっているとアゴが疲れていてダルく感じることや痛みが出ることがあります。

⑤虫歯は無いのに歯が痛い、しみることがある

→冷たいお水がしみたり、痛みがあり知覚過敏の症状が出ます。

食いしばっていると先ほども書きましたが歯と歯茎の境目がくさび状に削れたり、歯が欠けたりヒビが入ったりするので知覚過敏の症状が出ます。

みなさんいかがでしたか?

当てはまるものはありましたか?

1つでも当てはまった方すぐに歯医者さんに相談しましょう!!

【ブラキシズムに対する治療法】

では歯ぎしりや食いしばりでの歯の負担を少しでも軽減するためにはどうしたらいいでしょう??

今からそのお話しをさせていただきます♪

〈歯の噛み合わせを調整する〉

詰め物や被せ物の高さが合っていないと、上下の噛み合わせが悪くなり歯ぎしりをするのでしっかり噛み合わせの合った状態にかみ合わせを調整する、若しくは状況によっては新しく作り変える、歯が無いところにはブリッジ等を入れて、歯本来の機能を回復させてあげることで、歯ぎしり等改善すると言われています。

歯並びが悪いと歯ぎしりをするため歯並びを治して歯ぎしりをしないようにしてあげます。

〈寝ている時にマウスピースをはめる〉

寝ている時にマウスピースをすることで上下の歯が直接当たらないため、寝ている時の無意識な歯ぎしり、食いしばりでの歯の負担を減らすことが出来ます。

寝ている時にマウスピースを使うだけでかなりアゴが楽になると言われています。

マウスピースは基本上の歯のみにはめます。

睡眠時無呼吸症候群などは上下のマウスピースをつけることがありますが、歯ぎしり、食いしばりのマウスピースは上か下どちらか片方にはめれば良いでしょう。

粘土で型を取り石膏を流し、歯科医院or技工所でマウスピースを作製します。

マウスピースの使い方としては、

寝る前のハミガキが終わったらマウスピースを装着しそのまま就寝します。

起きたらマウスピースを外し、洗浄します。

洗浄方法は歯に装着するものだから…と歯磨き粉を使いたくなりますが歯磨き粉の中には研磨剤が入っているので使用すると小さい傷などを作り、その傷に汚れが溜まったりするので

中性洗剤(食器用洗剤)ともう使わない古い歯ブラシなどで洗っていきます。

毎日口の中に入れるものなので匂いなどが気になるようであれば、マウスピース用洗浄剤や入れ歯用洗浄剤を使って1週間に1、2回洗浄すると良いでしょう。

洗った後はケースに入れて保管しましょう。

まれにティッシュに包んで洗面所に置いておいたら

家族に捨てられてしまった、自分で間違えて捨ててしまった

ということもありますので注意が必要です。

そして熱湯消毒をしてしまう方もいらっしゃるのですが熱湯を使うとマウスピースが変形してしまうので必ずお水orぬるま湯で洗うようにしてください。

寝ている時はマウスピースで歯の負担を減らし、日中は意識的に食いしばらないようにしましょう。

パソコンや冷蔵庫といった普段目にするところに

”食いしばらない!!”と付箋を貼るだけでも意識的になります。

そして食いしばっているなと感じたら

思いっきり両肩を上に上げ、「ハッ!!!」と息を吐くだけで肩の力が抜け、食いしばらなくなるのでオススメです◎

あと以前のコラムでもお伝えした舌のスポットポジションをしっかり意識するだけでも上下の歯は当たらないので意識してやっていきましょう!

舌のスポットポジションとは…

上の前歯の裏にあるポコっと丸い歯茎のところに舌の先端を置き、上下の歯は当たらないようにして唇を閉じることです。

これが本来の舌の位置になります。

みなさん毎日お仕事、家事、育児大変で身体、肩に力が入りがちだと思います。

少し肩の力を抜いてゆっくりするお時間を作ってみてはいかがでしょうか?

歯を守る歯科ではマウスピースも作製しているので

歯ぎしり、食いしばり等気になる方は一度ご相談にいらっしゃってください♪

スタッフ一同心よりみなさんのご来院お待ちしております(*^_^*)