歯医者での定期検診を受けることで10年後どう違う?

歯医者での定期検診を受けることで10年後どう違う?


こんにちは、歯科衛生士の熊崎です。

昼間は暑い日が続いていますね。体調も崩れやすい気温差ですので、よく食べてよく眠りましょう!!

みなさんは歯医者で定期検診を受けていますか?今日は定期検診の大切さをお伝えします。

歯医者での定期検診が10年後の未来を変える理由とは?今から始めるべき習慣とは

歯医者での定期健診が10年後の未来を変える理由

1. 定期健診とは?その基本を押さえよう

歯科検診

歯科健診の頻度と内容

定期健診って聞くと、「歯に何か問題がある人が行くもの」と思っていませんか?実は、それ大きな誤解。歯科の定期健診は、問題が起こる前に予防するために行うもの。多くの歯科医が「3ヶ月に1回」や「半年に1回」を目安に勧めていますが、これは年齢や歯の状態、ライフスタイルによっても変わります。

内容としては、まず歯や歯茎の状態をチェック。虫歯や歯周病の兆候を見逃さず、レントゲンや歯石のチェックも行われます。次に、歯垢・歯石の除去、フッ素塗布などのクリーニング。これが思っている以上に重要で、歯垢は24時間で歯石になり、放っておくと歯周病一直線です。

さらに、噛み合わせや顎の状態、舌・粘膜の異常なども見てもらえるので、「ちょっと痛い」「違和感あるかも」くらいの段階で、プロの手で軌道修正が可能。まさに“転ばぬ先の杖”なんです。

定期健診で何がわかるのか?

歯科医院

健診って単なる虫歯チェックじゃないの?と思うかもしれません。実はそれだけではなく、もっと多くの情報が得られます。

たとえば、歯ぐきの腫れ具合や出血の有無から、初期の歯周病のサインを見つけることができます。レントゲンでは、肉眼では見えない歯の根元や顎の骨の状態も確認でき、隠れ虫歯や骨の異常も早期に発見できます。

また、最近では「口腔がん」のチェックも含まれるようになっており、これは命に関わる病気の早期発見にもつながります。たった15分〜30分の健診で、これだけのリスクチェックができるってすごいと思いませんか?

そして大事なのは、これを“習慣”にすること。1回行っただけでは意味がない。継続することで、自分の口の中の「当たり前の状態」が把握できるようになり、小さな異変にも敏感になれるのです。

2. 日本人に多い歯のトラブルとその予防策

虫歯・歯周病の現状

日本人の約8割が何らかの歯周病にかかっていると言われています。そして、虫歯は子どもから高齢者まで広く見られる国民病。それなのに「痛くなるまで放置」「自己流で対処」が多いのが現状です。

虫歯は自然治癒しません。一度削ってしまった歯は二度と元に戻らず、進行すると神経を抜いたり、最悪抜歯に至るケースもあります。歯周病はもっと怖くて、歯ぐきが炎症を起こし、やがて骨が溶け、歯がグラグラして抜けてしまう病気です。しかも自覚症状が出にくいため、気づいた時には手遅れなんてことも。

定期健診がもたらす早期発見・早期治療のメリット

ここで活躍するのが定期健診です。痛みが出る前、進行する前に、歯科医が「ちょっとおかしいな」と気づいてくれる。それによって、虫歯なら削る部分を最小限にできるし、歯周病もブラッシング指導やスケーリングで症状を抑えることが可能です。

たとえば、3ヶ月ごとに健診を受けていれば、進行していたら次の検診で分かります。半年に1回でも、リスクの高い人なら対応策を早めに打てます。これが「10年後に差が出る理由」です。

さらに、歯周病が引き起こすのは“口の問題”だけじゃありません。最近の研究では、心臓病・糖尿病・認知症との関係も指摘されています。つまり、口の健康は全身の健康につながっているということ。だからこそ、歯科健診は“美容”ではなく“医療”なんです。

3. 10年後の違い:健診を受けた人 vs 受けてない人

歯の本数と健康寿命の関係

10年後、自分の歯が何本残っているか、考えたことはありますか?実は、歯の本数と健康寿命には深い関係があります。特に「20本の壁」と呼ばれる基準があり、これは“自分の歯でしっかり噛める”目安とされています。

厚生労働省のデータによると、定期的に歯科健診を受けている人は、そうでない人よりも明らかに歯の残存本数が多い傾向にあります。つまり、健診を受け続けた人は、10年後も20本以上の歯を保っている可能性が高いのです。

なぜこれが重要かというと、歯が減ると「噛む力」が落ち、やわらかい物しか食べられなくなります。そうなると、栄養バランスが崩れ、内臓への負担も増える。さらに噛む刺激が脳に伝わりにくくなり、認知機能の低下にもつながるのです。

つまり、1本の歯を失うだけでも、その人の未来が大きく変わる。10年後、見た目はもちろん、身体の中も違ってくるんです。定期健診は、その“未来の自分”への投資とも言えます。

メンタル・全身の健康への影響も?

歯の健康が心にも影響するなんて、少し意外かもしれません。でも、これは医学的にも裏付けられています。

まず、虫歯や歯周病が進行すると、口臭や見た目の問題が出てきます。これが他人とのコミュニケーションを避ける原因となり、引きこもりやうつ状態に発展することも。また、「人と話すのが恥ずかしい」と感じるようになれば、自己肯定感の低下にもつながります。

さらに、歯の不調が慢性的なストレスを生み、免疫力の低下や睡眠障害を引き起こすケースも報告されています。慢性的な痛みや不快感があると、それだけで生活の質は大きく下がりますよね。

一方、定期健診で健康な口腔環境を保っている人は、自信を持って笑え、会話も弾み、外出もアクティブにこなせる傾向があります。これは身体的な健康だけでなく、メンタルの安定にも大きく寄与しているのです。

つまり、歯の健康は“見えない部分”にも波及していく。だからこそ、「たかが歯、されど歯」。10年後の自分のために、今から習慣を変えるべきなんです。

4. 定期健診がもたらす経済的メリット

将来の医療費を大幅に削減できる

「歯医者って高いから行きたくない」って思っていませんか?でも、実は逆なんです。定期健診を受けていれば、将来的に医療費を大幅に節約できる可能性が高いのです。

たとえば、虫歯が悪化して神経を取る「根管治療」は、数回にわたって通院が必要で、費用も高くなります。さらにその歯が再感染すれば、最終的には抜歯してインプラントやブリッジが必要になるかもしれません。インプラント1本あたり30万〜50万円なんてザラです。

でも、定期健診で早期に虫歯を見つけ、表面をちょっと削って詰めるだけなら、費用は数千円程度。かかる時間も1〜2回程度。これが積み重なれば、10年後の出費には天と地の差が出てくるんです。

予防のほうがコストパフォーマンスが高い理由

医療は「治療よりも予防のほうがコスパが高い」と言われますが、歯科ほどそれが顕著な分野もありません。

たとえば、歯科健診1回あたりの費用はおおよそ3,000〜5,000円。それを年2〜4回受けたとしても年間1〜2万円程度。それで済むなら安いものですよね?一方で、歯が痛くなってから受ける治療は、1本の治療だけでその金額を超えるケースがほとんどです。

それだけじゃありません。歯を失ってしまえば、義歯の作成やメンテナンス費用もかかる。さらには噛む力が弱まることで、内臓の病気や栄養失調により、内科や整形外科など、他科への医療費もかさみます。

つまり、「今行くのが面倒だから」と避けた結果、将来“医療ローン地獄”になるリスクもあるということ。定期健診は、自分の“未来の財布”を守るための戦略でもあるんです。

5. 定期健診で人生が変わる実例紹介

高齢者のケース

健康に過ごす家族

「もう歳だから歯はしょうがない」とあきらめてしまう高齢者は少なくありません。でも、実際には定期健診を受け続けたことで、80歳を過ぎても自分の歯で食べられる人がたくさんいます。

たとえば、ある80代の女性のケース。60歳を過ぎてから虫歯と歯周病が進行し始め、歯を何本も失いました。ですが、その後の危機感から3ヶ月に一度の健診を欠かさず受け、歯科医の指導のもとで歯磨きの習慣を見直しました。

その結果、それ以上歯を失うことなく、入れ歯も使わず、好きな食べ物をしっかり噛んで食べられる生活を続けています。彼女は「歯があるだけで、人生が楽しくなる」と話しています。これは単なる“食事の問題”だけでなく、“人生の質”そのものに直結しているんです。

また、認知症予防の観点からも、歯の健康は注目されています。噛む回数が増えることで脳への血流がよくなり、認知機能の低下を防ぐ可能性があると報告されているからです。つまり、歯科健診は“ボケ予防”にも一役買っているということ。

子どもから始めた家庭の変化

一方で、子どもの頃から定期健診を徹底した家庭の事例もあります。

あるご家庭では、3歳からすでに歯科健診の習慣をスタート。親子で通院することで「歯を大事にする文化」が家庭内に根付いたといいます。子どもは一度も虫歯にならず、高校生になっても歯列矯正も必要ないほど綺麗な歯並びをキープ。

母親は「小さいうちから“歯医者さんは怖くない”って教えておいたのが良かった」と語ります。また、定期健診のたびに口腔ケアの指導も受けていたので、親自身も歯の意識が高まり、家族全員でのオーラルケア習慣ができたとのこと。

実際、こういった家庭では医療費の総額も抑えられ、子どもが大人になっても“歯医者嫌い”にならないため、自立してからも健診を続けるケースが多いようです。

歯の健康習慣は、親から子へと受け継がれるもの。定期健診は“未来の自分だけでなく、家族の未来”まで守ってくれる大切な投資なんです。

6. 歯科医師が語る「健診で救われた」ケース集

早期発見が命を救った口腔がんの話

ある歯科医院の症例で、定期健診中に舌の裏側に小さな赤い斑点を見つけた患者がいました。自覚症状も痛みもなく、本人もまったく気づいていませんでしたが、念のため大学病院に紹介したところ、初期の舌がんが判明。

手術も簡易で済み、命に別状はなし。医師は「もし半年遅れていたら、命の危険もあった」と語ります。

このように、健診は“虫歯や歯石”だけでなく、命に関わる病気の早期発見にもつながる。これは年齢を問わず、すべての人に当てはまる重要な事実です。

精神的な安心感も得られるという証言

定期健診を受けている人の多くが口を揃えるのは、「安心感がある」ということです。何か気になる症状が出たとしても、すぐに相談できる“かかりつけ歯科医”がいるだけで、不安が和らぎます。

特に妊婦さんや子育て世代、高齢者など、不安を抱えやすい世代ほど「口の中の心配事がなくなっただけで、毎日が楽になった」と感じるようです。

これは、健康管理の一環として歯科も「かかりつけ」にしておく時代になった証拠。信頼できる歯科医との定期的なつながりが、心身の安定にもつながっているんです。

歯医者が苦手だった方も、私たちとお話ししていくうちに”来て良かった”と言ってくださることがあり、そのときにとてもやりがいを感じました。苦手を克服するのは相当勇気が必要なので、そういう方にも寄り添える診療を目指していきたいです。