こんにちは。歯科衛生士のくまさきです。
毎日暑い日が続いていますね。夏になると冷たいものばかりを好んで食べてしまいます。
最近はマスクをしている人は減ってきましたが、本日はコロナ禍のマスク時代を振り返ったブログを書こうとおもいます。
目次
マスク時代に増えた!?口呼吸の悪影響と改善方法について

コロナ禍でマスク生活が当たり前になった今、多くの人が「気づかぬうちに口呼吸になっている」と言われています。あなたもふと気がつけば、口を開けて息をしていませんか?実は口呼吸は、見た目だけでなく、健康面でも大きな悪影響を及ぼす可能性があるんです。
今回は、口呼吸がなぜ問題なのか、マスクとの関係性、そして今すぐできる改善方法について、分かりやすく・詳しく・徹底的に解説します。読み終わる頃には、自分の呼吸を見直したくなるかも?
口呼吸とは?その基本を理解しよう
鼻呼吸と口呼吸の違い
人間の呼吸には「鼻呼吸」と「口呼吸」があります。生理的に正しい呼吸法は“鼻呼吸”です。鼻は外からの空気を取り込む際、フィルターのような役割を果たし、ウイルスやホコリをブロックしてくれます。また、空気を温めたり、加湿して肺に優しい状態で送り届けてくれるんです。
一方、「口呼吸」はその名の通り、口から息を吸って吐く方法。口には鼻のようなフィルター機能がありません。そのため、細菌やウイルスがダイレクトに体内に侵入しやすくなります。さらに、口腔内が乾燥しやすくなり、虫歯や口臭の原因にも。
「呼吸なんて、どっちでもよくない?」と思うかもしれませんが、実はこの違いが健康を大きく左右するんです。
なぜ人は口呼吸になるのか?
元々、私たちは鼻呼吸が基本。しかし、生活習慣や体の変化、環境によって「いつの間にか口呼吸」になる人が増えています。例えば、花粉症や鼻炎などで鼻が詰まりやすい人、姿勢が悪くて顎が下がっている人、ストレスによって口を開ける癖がついた人など、原因はさまざま。
特に最近では「マスクの中が蒸れて息苦しい」と感じ、無意識に口呼吸になるケースが急増中。実は、口呼吸は“無意識の癖”として定着してしまうと、改善するのが難しいのです。
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マスク生活と口呼吸の関係性
マスクで鼻呼吸がしづらくなる理由
マスクを長時間つけると、どうしても鼻周辺が圧迫され、「鼻で深く呼吸する」のが難しくなります。さらに、マスクの中が蒸れて息苦しく感じると、自然と口を開けてしまいがち。これが“口呼吸癖”の始まりなんです。
また、最近は不織布マスクなどフィルター性能の高いものを使用することで、呼吸の抵抗が大きくなっています。人間は楽な呼吸を求めるため、無意識に“楽な道=口呼吸”にシフトしてしまうのです。
知らないうちに口呼吸が癖になるリスク
怖いのは、本人が気づかないうちに「口呼吸」が定着してしまうこと。特に就寝中、マスクを外した状態で「口を開けたまま寝ている」人は要注意。朝起きて口がカラカラに乾いていたり、喉が痛いと感じたことはありませんか?それ、完全に“口呼吸サイン”です。
この状態が続くと、喉の粘膜が傷つき、風邪やウイルス感染のリスクが高まるだけでなく、顔つきや歯並びにも悪影響が出ると言われています。
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口呼吸による身体への悪影響
免疫力の低下と感染症リスク
口呼吸の最大の問題点、それは“免疫力の低下”です。鼻呼吸であれば、鼻毛や粘膜がウイルスや異物をキャッチしてくれますが、口呼吸ではそのフィルターがありません。結果、ウイルスがダイレクトに喉や肺に届きやすくなり、風邪やインフルエンザ、新型コロナなどの感染症にかかるリスクが一気に高まります。
また、口が開いていることで口腔内が乾燥し、唾液の分泌が減少。唾液には殺菌作用があるため、減ってしまうと口内環境も悪化しやすく、虫歯・歯周病・口臭といったトラブルにも直結します。
歯並びや顔の形の変化

驚くことに、長期間の口呼吸は「顔の骨格」にまで影響を与えます。特に成長期の子どもにとっては重大な問題。口をポカンと開けたままの状態が続くと、顎の筋肉が正常に発達せず、出っ歯や受け口、顔が長くなる「アデノイド顔貌」などの原因になります。
大人でも、顎周りのたるみやほうれい線の深まりなど、“老け顔”の原因にもなるので要注意です。
いびき・睡眠の質への影響

口呼吸をしていると、舌が正しい位置に収まらず、喉の奥が狭くなってしまいます。これが「いびき」や「無呼吸症候群」の原因に。いびきをかく人の多くは、実は“口呼吸”が根本にあるんです。
しかも、寝ている間の口呼吸は、深い睡眠がとれず、朝起きても「なんだか疲れが残ってる」「すっきりしない」という状態に…。日常のパフォーマンスにも影響が出てしまいます。
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口呼吸が与えるメンタル面への影響
集中力の低下
呼吸の質が悪いと、脳への酸素供給が不足しやすくなります。結果として、頭がボーっとしたり、注意力が散漫になることも。特に学生やビジネスマンにとっては、これが致命的な問題になる可能性もあります。
また、イライラしやすくなったり、感情の起伏が激しくなるのも、口呼吸による酸素不足が影響しているかもしれません。
脳機能と酸素供給の関係
脳は、私たちの体の中で最も多くの酸素を必要とする器官。ところが口呼吸では、呼吸が浅くなりやすく、必要な酸素が脳に届きにくくなります。これが長期化すると、記憶力や判断力の低下、さらにはうつ症状を引き起こす可能性も。
たかが“口で呼吸してるだけ”と思わず、日常のメンタルバランスにも直結していると意識してみましょう。
口呼吸を見直すメリットとは?
免疫力アップで風邪予防
鼻呼吸に切り替えることで得られる最大のメリットは「免疫力の向上」です。鼻には「鼻毛」「粘膜」「線毛」などの天然フィルターがあり、空気中のウイルスやアレルゲンの侵入を防ぐ働きをしています。さらに、鼻呼吸は体温や湿度を調整する機能もあり、肺や喉へのダメージも軽減してくれます。
逆に、口呼吸では乾いた空気や異物がそのまま気道に入り込んでしまうため、喉の粘膜が荒れ、ウイルス感染のリスクが倍増します。鼻呼吸に戻すだけで「風邪をひきにくくなった」「喉の痛みが減った」と実感する人が多いのも納得です。
また、鼻からの呼吸によって一酸化窒素(NO)という物質が体内で生成されます。このNOには、血管を拡張し、血流を改善する働きがあります。つまり、鼻呼吸は「免疫」だけでなく「循環機能」にも良い影響を与えてくれるのです。
睡眠の質が改善し、日中もスッキリ

睡眠時に口呼吸をしていると、いびきや無呼吸状態を招き、結果的に「睡眠の質」が大幅に低下します。深い睡眠がとれないと、成長ホルモンの分泌が妨げられ、疲労が蓄積しやすくなり、翌日のパフォーマンスにも影響を及ぼします。
一方、鼻呼吸に切り替えることで、呼吸が安定し、自律神経も整いやすくなります。結果、眠りが深くなり、寝起きもスッキリ。実際、「テープで口を閉じて寝たらぐっすり眠れた」という声は少なくありません。
また、いびきが減ることで、同じ部屋で眠る家族やパートナーに迷惑をかける心配もなくなります。「寝ている間の口呼吸」を改善するだけで、生活の質が大きく変わると言っても過言ではありません。
見た目の印象や顔の若返り効果
意外かもしれませんが、鼻呼吸は“見た目”にも関係しています。口呼吸をしていると、口元が緩み、顎がたるんでしまいます。さらに、舌が正しい位置にないため、口周りの筋肉が衰え、結果的に「ほうれい線が深くなる」「二重顎になる」「顔が間延びする」といった印象に。
それに対して、鼻呼吸を意識すると、自然と口を閉じ、舌を上あごにしっかりつけるようになります。これにより、口周りの筋肉が鍛えられ、フェイスラインがスッキリ。実年齢よりも若く見られるようになる人も少なくありません。
特に女性にとっては「呼吸を変えるだけで小顔効果・アンチエイジング効果がある」というのは嬉しいポイントですよね。
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口呼吸を改善する簡単な方法とは?
まずは自分の呼吸状態をチェックしよう
改善の第一歩は「自分が口呼吸かどうか」を正しく知ることです。日中の姿勢、話していないときの口元、寝起きの喉の状態など、チェックポイントはたくさんあります。
以下に簡単なチェックリストを挙げてみましょう:
- 起きたときに喉が乾燥している
- 鼻詰まりが頻繁に起こる
- 無意識に口が開いている
- いびきを指摘されたことがある
- 日中、口臭が気になることが多い
このうち2つ以上当てはまる人は“口呼吸予備軍”の可能性が高いです。
姿勢と舌の位置を意識するだけで変わる
口呼吸を改善する鍵は、「正しい舌の位置」と「姿勢」にあります。舌は本来、上あご(口の天井部分)にしっかりついている状態が正解です。これによって口が自然と閉じ、鼻呼吸が促されます。
また、猫背や前かがみの姿勢は顎が下がりやすくなり、口が開きやすくなる原因に。パソコンやスマホを長時間使う現代人は特に要注意。意識して背筋を伸ばし、顎を引くことで、口呼吸がぐっと減ります。
鼻うがい・鼻詰まり対策も重要
鼻が詰まっていると、どれだけ鼻呼吸を意識しても実行できません。そんなときは、**「鼻うがい」**を習慣にするのがおすすめ。市販の鼻うがいキットや、塩水で簡単に行うことができます。鼻腔がスッキリすると、自然と鼻呼吸が楽になりますよ。
さらに、加湿器や蒸しタオルで鼻の粘膜を保湿する、花粉やハウスダストの季節には空気清浄機を活用するなど、日常的な鼻ケアも忘れずに。
子どもと高齢者は特に注意が必要
成長期の子どもに及ぼす影響
成長期の子どもが口呼吸をしていると、骨格や歯並びに悪影響を与える可能性があります。口をポカンと開けた状態が続くことで、上顎の発育が遅れ、歯列が狭くなってしまいます。その結果、出っ歯や受け口、開咬といった不正咬合が起こりやすくなります。
また、舌の位置が下がることで発音が不明瞭になり、「話し方がはっきりしない」と言われることも。見た目の問題だけでなく、社会的な印象にも影響を与えるため、早めの対策が重要です。
子どもはまだ自分で「呼吸がどうなっているか」を判断できないため、保護者が気づいてあげることが大切です。就寝中にいびきをかいていたり、日中いつも口を開けているようなら、専門の耳鼻科や歯科でのチェックをおすすめします。
高齢者も要注意!誤嚥や肺炎のリスクも
高齢者にとっても、口呼吸は深刻な問題です。加齢とともに喉や舌の筋肉が衰えることで、口が閉じにくくなり、自然と口呼吸になりがちです。
問題はそれだけではありません。口呼吸が続くと喉の粘膜が乾燥し、唾液の殺菌作用が低下。これにより、細菌が気道に入り込みやすくなり、「誤嚥性肺炎」のリスクが高まります。これは高齢者の死亡原因の上位に位置する、非常に危険な病気です。
また、口腔内の乾燥が進むことで、味覚の低下や食欲不振にもつながり、栄養不良や体力低下といった悪循環を招く可能性もあります。
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医療機関でできる専門的な口呼吸対策
耳鼻科での鼻呼吸チェックと治療
「鼻が詰まりやすい」「年中アレルギーがある」という人は、一度耳鼻科で診察を受けてみましょう。鼻中隔湾曲症や慢性副鼻腔炎など、鼻呼吸を妨げる根本的な疾患が潜んでいる場合があります。
鼻詰まりが改善されれば、自然と鼻呼吸もスムーズになり、口呼吸の癖も緩和されます。内服薬や点鼻薬、必要に応じて外科的治療など、適切な対策が提案されるでしょう。
歯科でのマウスピース・MFT指導
歯科では「マイオファンクショナルセラピー(MFT)」と呼ばれる口腔筋機能療法を通じて、正しい舌の位置や口周りの筋肉トレーニングを行えます。特に子どもの歯並びや、発音の改善にも効果的です。
当医院でもエントレという道具を使ってMFT指導をしています。子どもはもちろん、口腔機能が低下した方にも使用しています。
また、就寝中の口呼吸対策として「ナイトガード」や「マウスピース」などが処方されることも。これにより、睡眠時の口の開きを防ぎ、舌の落ち込みも予防できます。
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生活の中でできる口呼吸対策の習慣化
口閉じテープを使って眠る習慣を
睡眠中の無意識な口呼吸には、「口閉じテープ」が効果的です。市販の医療用テープや専用商品を使えば、簡単に寝ている間の口呼吸を防止できます。最初は違和感があるかもしれませんが、数日で慣れ、朝の喉の痛みや乾燥が大幅に減少する人も多いです。
ただし、鼻詰まりがある場合は無理に使用せず、まずは鼻の通りを改善することが優先です。
ガムを噛む・口周りを鍛える

日中は「よく噛む」ことを意識してみましょう。ガムを噛むことで口輪筋や舌筋が鍛えられ、口が閉じやすくなります。食事のときも、一口30回以上噛むなど、意識的に口周りの筋肉を動かすことが口呼吸改善につながります。
また、以下のような簡単な口周り体操もおすすめです:
- 「い・う・い・う」と大きく口を動かす
- 舌を上あごに当てて10秒キープ
- 風船やペットボトルでの呼吸トレーニング
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まとめ:今すぐ始めよう、正しい呼吸生活
口呼吸は、見た目の問題だけでなく、体全体の健康に深く関わっているということが、おわかりいただけたでしょうか?
マスク生活の影響で気づかないうちに癖になってしまった口呼吸。しかし、意識して生活習慣を見直すことで、驚くほど簡単に改善できます。
まずは自分の呼吸を観察し、できることから始めてみましょう。鼻呼吸を意識することで、免疫力が上がり、睡眠の質も改善され、見た目まで若々しくなるという好循環が生まれます。
今こそ、自分の「呼吸」を整えて、健やかでイキイキとした毎日を取り戻しませんか?
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❓よくある質問(FAQ)
Q1. 口呼吸を改善するのにどれくらいの期間が必要ですか?
A. 個人差はありますが、早い人で1〜2週間、長い人で数ヶ月かかる場合もあります。毎日の意識と習慣化がポイントです。
Q2. 子どもが口呼吸をしているのですが、いつから対策すべき?
A. できるだけ早く対応を始めることが望ましいです。成長期の骨格形成に影響するため、3歳以降で口呼吸が見られる場合は歯科や耳鼻科での相談がおすすめです。
Q3. 鼻呼吸がうまくできない時はどうすればいいですか?
A. 鼻詰まりが原因の場合は、鼻うがいや耳鼻科での治療が必要です。鼻の通りを良くすることで鼻呼吸がしやすくなります。
Q4. 口閉じテープは安全ですか?
A. 正しく使用すれば安全です。ただし、鼻づまりがある人は無理に使わないようにし、使用中に息苦しさを感じたらすぐに中止してください。
Q5. 口呼吸はなぜ老け顔の原因になるの?
A. 口を開けたままだと、口周りの筋肉がたるみ、ほうれい線や二重あごが目立ちやすくなります。正しい鼻呼吸を続けることで顔の筋肉が引き締まり、若々しい印象になります。
表情ひとつで第一印象なども決まってしまうのが今の日本だと思うので、まずは口周りの筋肉を鍛える運動を行ってみましょう!!
読んでいただきありがとうございます。