みなさんこんにちは!!
歯を守る歯科の歯科衛生士の伊藤です(^^)
今回はみなさんに歯の寿命のルールについてお話ししたいと思います。
みなさん自分の歯が何本あるかご存知ですか?
今まで歯を抜いたことが無い方は基本的には上の歯14本、下の歯14本です。
親知らずが全部ある方は+4本なので32本になります。
案外自分の歯が何本あるか知らない方多いです。
20代30代の方に多いのですが、”自分の歯は大丈夫だろう”と思っている方が大半です。
ですが実際は日本人の歯の寿命はとても短いと言われています。
元々の生まれ持った歯の材質はもちろん日本人って綺麗好きの割にきちんとハミガキをしない方が多く外国人には日本人は口が臭い。というイメージを持たれているそうです。
歯科疾患実態調査によると、80歳の時には16本の歯しか残っていないと言われています。
極端に言うと上の歯がほぼ全て抜けて総入れ歯の状態です。
歯を1本失うと共倒れするかのように他の残っている歯も抜けていきます。
患者さんからよく聞くお話しでは入れ歯にすると歯応えを感じづらく、食べ物の味もあまりしないそうです。
咬合力・咀嚼能力という噛む力に関しても、天然のご自身の歯を100%とすると、ブリッジで70~80%程度の回復量、入れ歯で40%以下の回復量とする報告もあります。インプラントに関しては、90%近くの高い回復量ではありますが、天然の歯とは顎の骨との結合様式が異なり、天然の歯特有の噛み応えはないとされています。
従って、天然の歯は最もすぐれているということをまずご認識いただきたいです。
目次
【歯を失うことによるデメリット】
では歯を失うとどんなデメリットがあるのかお話しします。
①医療費が高くなる
これはどういう意味かというと、歯が無くなると入れ歯やブリッジ、インプラントどれを治療するにも医療費がかかります。
医療費を1番抑える方法はただ1つ!
メンテナンスに通うことです。
メンテナンスはその方々にもよりますが月1〜半年に1回のペースでいいのでひと月に通う頻度が少なくなるので医療費が抑えられます。
もし虫歯が見つかったとしても定期的にメンテナンスに来ていれば早期発見になり小さい虫歯の処置で済むため大きな虫歯になって銀歯にするより断然安く済みます。
②唇な頬のシワが増えたりする。
頬や唇は歯があることで内側から支えられています。
歯が無くなると内側からの支えがなくなるので萎んだように見えシワが増えたりします。
③脳卒中、心筋梗塞、肺炎などの死亡リスクが高くなる。
歯が無くなる=基本的には虫歯、歯周病があるということです。虫歯も歯周病も唾液中の細菌の感染症です。これらお口の中の細菌が全身の血流をめぐって脳や心臓に達すると、脳卒中や心筋梗塞のリスク因子となります。また、歯周病と全身疾患との関連性は近年、論文上でも明らかとなっており、歯周病の治療が皆様の身体の健康に寄与することが明らかになっています。それだけでなく、咀嚼や飲み込み等のお口周りの筋肉・機能が低下している場合は誤嚥性肺炎も気をつけたい病気の1つです。
④生活の質が変わる。
80歳で20本の歯がある方とそうでない方を比べると20本歯が無い方のほうが家にいる時間が増える傾向があるそうです。
元気な方はいつまでも外に出て旅行や美味しい物を楽しんでいますよね(^^)
【歯が抜けたまま放置することの危険性】
ここで1つ絶対にしてほしくないことをお伝えします。
それは…歯が抜けたところをそのまま放置することです!!
なぜ抜けたところを放置するのが良くないのかというと抜けた前後の歯が抜けた方に倒れてきます。
そして下の歯が抜けた場合噛み合っていた上の歯が噛むところが無くなりどんどん下に降りてきてしまいます。そうなると噛み合わせが変わってしまい歯や顎が痛いといった症状が出ます。
たくさんの歯を失った状態を放置すると立ち上がる、歩くといった動作に必要な食いしばる力が無くなるので認知症にもなりやすく、転びやすいと言われています。
また、歯が抜けた周囲の歯の状態も悪化し、物が噛めずいよいよ入れ歯かブリッジか装着する必要性のあるステージに移行した場合、スペースが不足しておりそれらの補綴物が入れられない場合があります。その場合、軌道修正する為にさらに複雑な治療および治療期間を要することとなります。
【歯を失う原因】
歯を失う原因として、1つは虫歯で44%、もう1つは歯周病で42%です。
この2つの病気で歯が抜ける原因の80%を占めています。
人それぞれ体質が違うため虫歯リスクの高い方、歯周病リスクの高い方はみなさん違います。
ですが自分が虫歯体質なのか歯周病体質なのかあるいは両方なのかはご自身で判断出来ません。
なので歯医者さんに行って検査してもらうのが良いでしょう!
【虫歯の治療と歯の寿命】
さてみなさん、虫歯などの治療が終わった後どう思いますか??
「終わった!治った!よかった!!」
と思っていませんか?
例えば虫歯治療は虫歯の部分を取り除いて人工物に置き換えているので元の健康な歯に戻っているわけではないので完治とはまた違います。
虫歯の治療には限界があり、基本的に1本の歯に対して7回治療するとその歯は抜歯になると言われていますので、みなさん虫歯になったらその都度虫歯の治療すればいいじゃん。と思われがちですがそれは自分の歯の寿命を短くしていることと同じです。
虫歯の歯の寿命でステージ1が健康な歯だとして
ステージ2は小さい詰め物(プラスチック)です。
ステージ3になると部分的な被せ物(銀歯やセラミック)になります。
ステージ4までいくと最終ステージと言われていて神経を取って大きな被せ物になります。
最終ステージになるとその次は抜歯になる可能性が高くなります。
歯の神経はとらないほうがいいと言われています。
それはなぜかというと神経を取った歯は神経が残っている歯に比べて根っこが折れやすくなります。
いわゆる枯れ枝状態です。
毎日の噛む力で、ある日突然根っこが割れたりします。
そして神経を取った歯は被せ物や根っこが虫歯になっても痛みを感じません。なので虫歯の発見が遅れます。
中でもなかなか厄介なのが根っこの先端に膿が溜まることがあります。
それはいつなるかわかりません。
痛みが出る方もいれば何年も出ない方もいます。
高度なマイクロスコープでの根っこの治療をしないと再発のリスクもかなり高いと言われています。
歯医者さんで最終ステージの歯が何本あるのか診てもらいご自身で把握しておくといいでしょう。
特にブリッジの支えになっている歯は負荷が大きく危険度が高いです。
なので歯の神経はとても大切と言われています。
虫歯でしみたり、痛みが出てからだと神経まで虫歯が到達している可能性が高いので痛みが出る前の治療がとても大切です。
歯の神経を取ると前述したことはもちろん何回も根っこの治療に通わなくてはいけないのでプライベートを削らなくてはいけなくなり医療費もかかります!
そんなの絶対に嫌!!って方ぜひ今まで以上に歯を大切にしてください。
【歯の寿命をのばす方法】
そこで歯の寿命をのばす秘訣をお伝えしますのでよーーく覚えておいてください(^O^)
①歯と歯の間の汚れをしっかり取る。
歯ブラシももちろん大切ですが、歯と歯の間の汚れを取るには歯ブラシだと限界があります。
なのでフロスや歯間ブラシを併用していきましょう!
特に銀歯はイオン化すると汚れを引き寄せる作用があり材質的に錆びやすく、何年も使っていると歪んでくるのでその歪んだ間に汚れが溜まりやすいので注意しましょう!
フロス、歯間ブラシに関しては人それぞれその人の歯や歯茎に合う合わないがあるので歯科衛生士に聞いて自分に合ったものを使用するといいでしょう!
②治療の中断をしない。
治療を中断すると状況が悪化して残せる歯も残せなくなってしまいます。
あの時継続して治療に通っていれば残せた歯なのに…抜歯になっちゃったね。という方何人も見てきました。
あの時残せた歯が残せなくなるのは悔しいですよね。
③痛くない=問題ないではない。
痛くないからといって問題ないとは限りません。
痛くなってからの治療だとかなり病状が進行しているケースがほとんどです。
④メンテナンスを受ける
虫歯や歯周病の早期発見はご自身では難しいです。
メンテナンスを受けて歯のトラブルを減らすことで歯の寿命がのびます。
以上の4つことをしっかり覚えておきましょう!