こんにちは、衛生士のくまさきです。
9月になりましたがまだまだ暑いですね。8月はいろんな行事があって賑やかだった気がします。私は行けていません!!
みなさんは歯の黄ばみなど気になったことはありませんか?歯の上からの影響なのか、歯自体の色の変化なのか。。
今回は歯の色が変わる原因や改善方法について書きたいと思います。
目次
歯の色はなぜ変わるのか?原因と改善法を歯科衛生士が解説

「歯が黄ばんできた気がする」「昔より歯の色が濃くなった」と感じる方は少なくありません。
実は歯の色は一生同じではなく、生活習慣や年齢、体質などによって少しずつ変化していきます。白く健康的な歯は清潔感や若々しさを印象づける大切なポイント。
今回は歯科衛生士の立場から、歯の色が変わる原因と、改善・予防の方法について分かりやすく解説します。
歯の色が変化する仕組みとは
歯の色は単純に「白」ではありません。歯の表面を覆うエナメル質は半透明で、その下にある象牙質の色が透けて見えるため、人によって歯の色味は微妙に異なります。
また、生活習慣や加齢によっても徐々に変化します。
生まれつきの歯の色(遺伝的要因)
実は、もともと真っ白な歯を持つ人は少数派です。歯の色は髪や肌と同じように遺伝の影響を受けます。
象牙質の色が黄色味が強い人は歯が少し黄ばんで見えやすく、逆にグレーがかった人もいます。ですので「自分だけ歯が黄色い」と悩む必要はなく、生まれつきの個性として受け止めることも大切です。
年齢による自然な変化
年齢を重ねると、歯は少しずつ黄色くなります。理由は二つあり、ひとつはエナメル質が摩耗して薄くなり、下の象牙質が透けやすくなること。
もうひとつは象牙質そのものが加齢で濃い色になっていくためです。これらは自然な変化ですが、ケアを怠ると黄ばみが強調されてしまいます。
外因性の着色(歯の表面の汚れ)
外因性着色とは、食べ物や飲み物、生活習慣によって歯の表面に色素が沈着することです。多くの人が経験する「歯の黄ばみ・茶色い汚れ」は、このタイプに当たります。
飲食物による色素沈着

コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなどは代表的な着色原因です。
これらに含まれるポリフェノールやタンニンといった色素成分は、歯の表面に付着しやすい性質があります。特に毎日摂取する習慣があると、着色がどんどん蓄積してしまいます。
タバコのヤニによる変色
喫煙者の歯が黄ばんで見えるのは、タバコの煙に含まれるタールやニコチンの影響です。
ヤニは非常に粘着性が強く、ブラッシングだけでは落とせないことが多いです。さらに口臭や歯周病リスクも高まるため、歯の健康を考える上でも禁煙は大きなメリットになります。
プラークや歯石によるくすみ
食べかすや細菌が固まってできる**プラーク(歯垢)**は、時間が経つと歯石になります。
歯石は黄色や茶色に変色し、歯の表面をざらつかせて汚れが付着しやすくなります。見た目の問題だけでなく、歯周病の大きな原因になるため、定期的な歯科でのクリーニングが不可欠です。
内因性の変色(歯の内部からの変化)
外因性が「表面の汚れ」であるのに対し、内因性は歯の内部から色が変わるものです。こちらはセルフケアでは改善が難しく、歯科治療が必要になることもあります。
加齢による象牙質の濃化
年齢とともに象牙質は厚みを増し、色が濃くなります。その結果、歯全体が黄色や茶色っぽく見えるようになります。外因性の汚れを取り除いても完全に白くならない場合は、この象牙質の変化が原因のことが多いです。
薬剤(テトラサイクリンなど)による影響
子どもの頃にテトラサイクリン系抗生物質を服用すると、歯の形成期に色素が沈着し、グレーや茶色の帯状の変色が起こることがあります。これは内因性変色の代表例で、通常のホワイトニングでは改善が難しいケースもあります。
外傷や神経の死による変色
強い衝撃で歯に外傷を負った場合、歯の神経(歯髄)がダメージを受けて変色することがあります。
また、神経が死んでしまった歯は徐々に黒っぽく変色していきます。この場合は根管治療や特殊なホワイトニングが必要です。
日常生活でできる予防法
歯の変色を完全に避けることは難しいですが、日常のちょっとした工夫で進行を遅らせることは可能です。特に外因性の着色は生活習慣に大きく左右されます。
食後の正しい口腔ケア

食後は歯に色素や糖分が残りやすいため、軽く口をゆすぐだけでも効果があります。酸性の飲食物を摂った直後に歯磨きをすると、エナメル質を傷つける可能性があるため注意が必要です。
理想は食後30分〜1時間後にブラッシングを行うこと。外出時にはマウスウォッシュや歯間ブラシを活用すると着色予防になります。
着色しにくい飲食習慣
コーヒーや紅茶を飲む際はストローを使うと、歯の表面に色素が直接触れにくくなります。
また、色の濃い料理を食べた後には水を飲んで口をすすぐ習慣をつけるのもおすすめです。少し意識するだけで、色素沈着のスピードを大幅に減らせます。
定期的な歯科クリーニングの重要性
どんなに丁寧に歯磨きをしても、自分だけでは落としきれない汚れが必ずあります。
歯科医院で行う**PMTC(プロによる機械的クリーニング)**は、歯の表面の汚れやバイオフィルムを徹底的に除去し、着色予防に大きな効果を発揮します。
最低でも半年に一度はプロのクリーニングを受けるのが理想です。
改善方法① プロのケア

歯の色を改善するためには、歯科医院でのプロフェッショナルなケアが最も効果的です。
PMTC(歯のクリーニング)
PMTCは、歯科衛生士が専用の器具とペーストを使って歯の表面を磨く施術です。
歯垢や着色汚れをきれいに取り除くことができ、ツルツルの白い歯に近づきます。痛みもなく、むしろリラックス効果があるため「歯のエステ」とも呼ばれています。
エアフローによる着色除去
近年注目されているのがエアフロー。微細なパウダーを水と一緒に吹き付け、歯の表面の汚れを優しく取り除く方法です。
コーヒーやタバコの強い着色もきれいに落とせるうえ、短時間で仕上がるのが特徴です。
歯科医院でのホワイトニング
歯そのものの色を改善したい場合は、オフィスホワイトニングが効果的です。
過酸化水素を用いて歯の内部にある着色成分を分解し、本来の白さを取り戻します。1回の施術でも変化を実感しやすいのが魅力ですが、持続には定期的なケアが必要です。
改善方法② セルフケア
「すぐに歯科医院に行けない」「まずは自宅で試したい」という方には、セルフケアの方法もあります。ただし効果や限界を理解して使うことが大切です。
ホワイトニング歯磨き粉の効果と限界
市販のホワイトニング歯磨き粉には研磨剤やステイン除去成分が含まれており、軽い着色を落とすには有効です。
ただし、歯の内部の色を変えることはできないため、劇的な効果を期待するのは難しいです。むしろ使いすぎると歯の表面を傷つける場合もあるので注意が必要です。
ホームホワイトニングの特徴
歯科医院でマウスピースを作り、自宅で専用ジェルを使って行う方法がホームホワイトニングです。
即効性はオフィスホワイトニングに劣りますが、ゆっくりと自然な白さになり、効果が長持ちするのが利点です。
市販のケアグッズの上手な活用法
ドラッグストアなどで売られているホワイトニングシートやLEDライトなどのケア用品は、正しく使えば一定の効果が期待できます。
ただし製品によって安全性や効果に差があるため、自己判断ではなく歯科衛生士や歯科医師に相談して選ぶと安心です。
歯の色を保つための生活習慣
歯の色は外からのケアだけでなく、生活習慣そのものにも左右されます。
睡眠・食生活と歯の健康
栄養バランスのとれた食事は歯や歯茎の健康を守ります。特にカルシウムやビタミンDは歯の強さに直結します。また、十分な睡眠は唾液の分泌を促し、自然な自浄作用によって着色や虫歯を防ぐ助けになります。
ストレスや口呼吸が与える影響
ストレスや口呼吸が続くと、口の中が乾燥して唾液が減少します。唾液が少ないと汚れが落ちにくく、着色や虫歯リスクが増加します。普段から鼻呼吸を意識し、水分をしっかり摂ることが予防につながります。
まとめ
歯の色が変わる原因は、外因性(表面の汚れ)と内因性(内部の変化)の2つに分けられます。
コーヒーやタバコといった生活習慣、加齢や薬剤の影響など要因はさまざまですが、予防と改善の方法も多くあります。大切なのは「原因を知り、正しいケアを続けること」。
日常の小さな習慣と、定期的なプロのケアで、美しい白い歯を保つことができます。

よくある質問(FAQ)
Q1. ホワイトニングは歯に悪影響はありませんか?
→ 適切に行えば安全です。ただし知覚過敏が出ることもあるため、歯科医師の指導のもとで行うのが安心です。
Q2. 市販のホワイトニング製品で歯が真っ白になりますか?
→ 表面の汚れを落とす程度で、歯の内部の色までは変えられません。
Q3. 着色を防ぐために一番効果的な方法は?
→ 食後の口すすぎと定期的なプロのクリーニングです。
Q4. 子どもの歯も黄ばむことはありますか?
→ はい。遺伝的な要因や食生活によって、子どもの歯も黄色く見えることがあります。
Q5. タバコをやめると歯は白くなりますか?
→ 新しい着色は防げますが、すでに沈着したヤニは歯科でのクリーニングが必要です。