みなさんこんにちは!
歯を守る歯科西新宿五丁目の歯科衛生士の園川です♬
だんだん寒くなってきていますが、体調は崩されていないですか?
この季節はおいしいものがたくさんありますよね。甘いものが好きなので、食べ過ぎに気をつけたいと思います^^;

目次
歯と健康寿命の関係
本数や義歯の有無で変わる健康リスクとは?
私たちは普段、食事や会話を当たり前のように楽しんでいます。しかしその裏で、それを支えているのは「歯」です。歯は単なる“食べるための器官”ではなく、全身の健康や寿命にまで深く関係していることが、近年の研究で明らかになっています。
今回は、「歯の本数」や「義歯の有無」が健康寿命にどのような影響を与えるのかを詳しく書いていきます。
健康寿命とは何か?

まず理解しておきたいのが「健康寿命」という考え方です。
健康寿命とは、介護を受けたり寝たきりになったりせず、自立して生活できる期間のことを指します。
日本は世界有数の長寿国ですが、平均寿命と健康寿命の間には男女とも約8〜10年の差があるといわれています。つまり、多くの人が「長く生きる」ことはできても、「健康に生きる」ことが難しいのです。
その健康寿命を大きく左右する要素のひとつが「口の健康」、すなわち歯の状態です。
歯の本数が健康に影響する理由
「歯が少ないと噛めない」という単純な問題だけではありません。
歯の喪失は、食生活や脳、さらには全身の筋力や社会性にも影響を及ぼします。
1. 栄養摂取の偏り
歯が減ると硬いものが食べにくくなり、肉や野菜などの栄養価の高い食品を避ける傾向が出ます。
結果として、たんぱく質やビタミン、ミネラルの摂取量が不足し、筋肉量の低下(サルコペニア)や免疫力の低下につながります。
また、軟らかいもの中心の食事は血糖値を上げやすく、糖尿病のリスクを高めることも報告されています。
2. 脳への刺激不足
よく噛むことで脳に送られる刺激は、認知機能の維持に大きく関与しています。
歯を失って噛む力が弱まると、脳の血流や神経活動が低下し、認知症の発症リスクが上昇することが多くの研究で確認されています。
実際、残っている歯が20本未満の高齢者は、20本以上の人に比べて認知症の発症率が約1.9倍高いというデータもあります。
3. 運動機能との関係
歯を失うと、噛みしめる力が弱まり、全身の筋肉や姿勢にも影響を及ぼします。
咀嚼時の「噛む力」は、体幹の安定にも関わっており、転倒リスクや歩行速度の低下にも直結します。
つまり、歯の本数が少なくなることは、単なる口の問題ではなく、「寝たきり予防」にまで関係しているのです。
残っている歯の本数で変わる健康リスク
日本歯科医師会が推進する「8020運動(80歳で20本の歯を残そう)」は、まさに健康寿命の延伸を目的とした取り組みです。
研究によると、20本以上の歯がある人は、ほとんどの食べ物を自分の歯で噛むことができ、生活の質(QOL)が高い傾向にあります。
一方で、
- 歯が0〜9本の人は、転倒・要介護・認知症のリスクが大幅に上昇
- 10〜19本の人では、食事制限や社会参加の減少が見られる
など、明確な差が出ています。
歯を多く残すことが、健康で長生きするための“鍵”といえるのです。
義歯(入れ歯)やインプラントは健康寿命を支えられるのか?
歯を失ってしまった場合でも、適切に補うことで健康寿命を維持することが可能です。
しかし、「ただ補えば良い」わけではありません。 補綴物の種類やフィット感、咬み合わせの調整が極めて重要です。
1. 義歯(入れ歯)の役割と注意点
総入れ歯・部分入れ歯は、多くの高齢者にとって重要な咀嚼のサポート手段です。
適合の良い義歯を使用することで、噛む力をある程度回復でき、脳や消化器への刺激を取り戻すことができます。
しかし、合わない義歯を使い続けると、口腔粘膜の炎症や噛み合わせのズレ、顎骨の吸収を招き、かえって健康を損なうこともあります。
定期的な調整・作り替えが不可欠です。
2. インプラントによる咀嚼回復
インプラントは、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、天然歯に近い咀嚼力を再現します。
しっかり噛めることにより、食生活の質・栄養状態・社会的自信が改善され、結果として健康寿命の延長にもつながると報告されています。
ただし、インプラント周囲炎などのリスクを防ぐためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。
歯の本数を守るために今できること
健康寿命を延ばすためには、「歯を失わない」ことが最も重要です。
そのためには、毎日のセルフケアと定期的なプロケアが欠かせません。
1. 定期的な歯科検診
むし歯や歯周病は早期発見・早期治療が可能な病気です。
自覚症状がなくても進行していることが多く、3〜6か月ごとの定期検診を受けることで、歯の喪失リスクを大幅に減らせます。
2. 正しいブラッシングと補助清掃具の使用
歯ブラシだけでは、歯間や歯ぐきの境目の汚れは取りきれません。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用し、プラーク(歯垢)を徹底的に除去しましょう。
また、歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニング(PMTC)も有効です。
3. 生活習慣の見直し
喫煙、ストレス、睡眠不足、糖質の摂り過ぎはすべて歯周病のリスクを高めます。
歯の健康は「体の健康」と直結していることを意識し、全身の生活習慣を整えることも大切です。
歯を守ることが「人生を守る」
歯を多く残すことは、単に食べやすくなるというだけではありません。
それは、「自分らしく生きる力」を守ることでもあります。
よく噛めることは、脳を活性化し、姿勢を支え、社会とのつながりを保つ要因にもなります。
80歳で20本の歯を保つことを目標に、もし歯を失っても入れ歯やインプラントで噛む力を取り戻すことが、健康寿命を延ばす最良の方法です。
まとめ
- 歯の本数が多いほど、栄養摂取・認知機能・運動能力が良好
- 20本以上の歯を保つことが、健康寿命の延長に直結
- 義歯やインプラントで適切に補うことも重要
- 定期検診・セルフケア・生活習慣の見直しが予防の鍵
歯の健康は、人生100年時代における「生きる力の源」です。
今日の1本の歯を守ることが、10年後、20年後のあなたの健康と笑顔を支えることにつながります。
歯科医院での定期的なメンテナンスを続け、しっかり噛める口を維持していきましょう。
歯を守る歯科では、1本でも多く歯を残せるよう長期的な予後を見据えた治療計画の元、治療やメインテナンスを行っております。
是非一度ご来院ください。スタッフ一同心よりお待ちしております!



