インプラント周囲炎とは?知られざるリスクと予防の重要性

インプラント周囲炎とは?知られざるリスクと予防の重要性


みなさんこんにちは!

歯を守る歯科西新宿五丁目の歯科衛生士の園川です♫

夏といえば夏祭りですね!

先日はお祭りに行って、盆踊りをみてきました^^

屋台をみるとつい買いたくなってしまいます(>_<)

夏祭りの様子

インプラント周囲炎とは?知られざるリスクと予防の重要性

インプラント治療は、失った歯を取り戻すための優れた選択肢として、多くの方に選ばれています。天然歯に近い噛み心地や審美性、隣接歯に負担をかけない構造など、利点は多くあります。

しかし、インプラントには天然歯とは異なる特有のリスクが存在します。その中でも特に注意すべきなのが「インプラント周囲炎」です。

以前インプラントについて書いていますので、そちらもご覧ください。

今回はインプラント周囲炎とはどのような病気なのか、なぜ発症するのか、そしてどのように予防・治療すべきかを詳しく書いていきます。

インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎とは、インプラント体(人工歯根)を支える骨や周囲の歯ぐきに起こる炎症のことを指します。天然歯における「歯周病」と類似した病態であり、放置するとインプラントを支える骨が吸収され、最悪の場合インプラントが脱落してしまいます。

初期段階では「インプラント周囲粘膜炎」と呼ばれ、これは歯ぐきの炎症にとどまっていますが、これを放置すると「インプラント周囲炎」に進行し、骨の吸収が始まります。したがって、早期発見と適切な対応が非常に重要です。

なぜインプラント周囲炎が起こるのか?

インプラントはチタンなどの金属で作られており、天然歯のように歯根膜が存在しません。この構造の違いが、周囲炎の発症と深く関わっています。

主な原因は「細菌感染」

インプラント周囲炎の大きな原因は、細菌の感染です。プラーク(歯垢)や歯石がインプラントの周囲にたまり、そこに含まれる細菌が歯ぐきや骨に炎症を引き起こします。

天然歯であれば、歯根膜がクッションの役割を果たし、免疫反応もある程度働きますが、インプラントにはこれがありません。そのため、一度炎症が起こると進行が早く、歯周病よりも重症化しやすい傾向にあります。

その他のリスク因子

不十分なセルフケア

インプラント治療後にブラッシングが不十分だと、プラークがたまりやすくなります。

喫煙

喫煙者は非喫煙者と比べてインプラント周囲炎の発症率が高く、治療効果も得られにくい傾向があります。

糖尿病や免疫疾患

慢性疾患を持っている方は、体の治癒力が低下しており、感染しやすくなっています。

噛み合わせの不調和

インプラントに過剰な力がかかると、周囲の骨に負担がかかり、炎症が起きやすくなります。

歯科医師

症状と進行

インプラント周囲炎は、初期段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに進行してしまうケースが多いのが特徴です。以下のような症状が現れたら、すぐに歯科医の診察を受けるべきです。

  • インプラント周囲の歯ぐきが赤く腫れている
  • ブラッシング時に出血がある
  • インプラントがグラグラする感じがある
  • 口臭が強くなる
  • インプラント部位に膿が出る

これらの症状が出た場合、すでにインプラント周囲炎が進行している可能性があります。

インプラント周囲炎の治療法

治療方法は進行度によって異なりますが、一般的には以下のような手順で行われます。

1. プラーク・歯石の除去

まずは、原因となっているプラークや歯石を専用の器具で除去します。インプラント専用の器具を使用し、チタン表面を傷つけないように丁寧にクリーニングします。

2. 抗菌療法

細菌感染が進んでいる場合は、抗菌薬の投与や、消毒液を用いた洗浄が行われます。最近ではレーザー治療なども併用されることがあります。

3. 外科的処置(重度の場合)

炎症が進行し、骨の吸収が著しい場合は、外科的な処置が必要になることもあります。骨再生療法(GBR)や歯周形成手術などで、失われた組織の再建を目指します。

インプラント周囲炎の予防法

インプラントを長持ちさせるためには、「予防」が最も重要です。インプラント周囲炎は早期に予防・発見できれば、高い確率で重症化を防ぐことが可能です。

1. 毎日の丁寧なセルフケア

天然歯と同様、いやそれ以上に丁寧な歯磨きが必要です。インプラント周囲は形状が複雑なこともあるため、歯間ブラシやフロス、音波ブラシなどの併用が推奨されます。

2. 定期的な歯科医院でのメンテナンス

プロによる定期的なメンテナンス(最低でも3〜6ヶ月に1回)は、インプラントを守る最も有効な手段です。プラークや歯石の除去だけでなく、噛み合わせや炎症の有無もチェックされ、早期発見・早期対応が可能になります。

3. 喫煙・生活習慣の見直し

喫煙者はインプラント周囲炎のリスクが2〜3倍とも言われています。禁煙や糖尿病の管理など、全身の健康管理がインプラントの健康にも直結します。

まとめ

インプラント周囲炎は、インプラント治療における最大のリスクといっても過言ではありません。見た目も快適さも優れたインプラントを長期にわたり維持するためには、治療後のケアと定期的なメンテナンスが不可欠です。

「インプラントを入れたら終わり」ではなく、「入れてからが本当のスタート」だという意識を持つことが、健康なお口と人生の質を保つための第一歩となるでしょう。

インプラントもご自身の歯もどちらもメインテナンスが欠かせません!

歯を守る歯科は、ご自身の歯の大切にしたいとメインテナンスに通われている患者様が多くいらっしゃいます。

最近健診に行けてないという方も、是非一度ご来院いただければと思います!

ご来院心よりお待ちしております。

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