こんにちは。歯科衛生士の熊崎です。
少しずつ温かくなってきましたね。その代わりに花粉症に悩まされてる方も多いのではないでしょうか?
私は今のところ花粉症になってないのですが、肌荒れなどは気になるので対策をしていたいなと思っています。
そんな花粉症は歯と意外な関係性があるのをご存知でしょうか。今回はそれを題材にしてブログを書きます!

目次
花粉症と歯の意外な関係性 ― 鼻だけの問題ではありません
春や秋になると、くしゃみ・鼻水・鼻づまりに悩まされる花粉症。「目と鼻がつらいだけ」と思っていませんか?
実はこの時期、「上の奥歯がズキッとする」「歯ぐきが重だるい」「かみしめると違和感がある」といった症状で来院される方が少なくありません。むし歯が見当たらないのに痛みがあると、不安になりますよね。
花粉症は耳鼻科の病気というイメージが強いですが、お口の中とも密接につながっています。体はすべて連動しています。鼻のトラブルが歯に影響するのは、決して珍しいことではありません。
今回は、花粉症と歯の“意外な関係”について、科学的根拠をもとにわかりやすく解説します。

花粉症は、
①副鼻腔炎による歯の痛み
②口呼吸によるむし歯・歯周病リスクの増加
という形で、お口の健康に影響を与える可能性があります。
特に上の奥歯の違和感や痛みは、副鼻腔(上顎洞)の炎症が原因となることがあります。また、鼻づまりによって口呼吸が続くと、お口が乾燥し、細菌が繁殖しやすい環境になります。
つまり、花粉症のケアは全身の健康だけでなく、歯の健康を守るうえでも重要なのです。
上の奥歯と副鼻腔は非常に近い
上の奥歯の根の先は「上顎洞(じょうがくどう)」という空洞と非常に近接しています。花粉症によって鼻粘膜が炎症を起こし、副鼻腔炎を併発すると、上顎洞の内圧が変化し、その刺激が歯の神経に伝わることがあります。
この場合、歯自体にむし歯や歯周病がなくても「歯が痛い」と感じます。特に前かがみになったときや、かんだときに響くような痛みが特徴です。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会でも、副鼻腔炎の症状の一つとして歯痛が挙げられています。
参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
https://www.jibika.or.jp
歯科と耳鼻科は別の診療科ですが、解剖学的には非常に近い関係にあるのです。
口呼吸が引き起こすお口のトラブル
鼻づまりが続くと、無意識のうちに口呼吸になります。口呼吸では唾液が蒸発しやすくなり、口腔内が乾燥します。

唾液には
- 細菌を洗い流す自浄作用
- 酸を中和する緩衝作用
- 歯を修復する再石灰化作用
といった重要な働きがあります。

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、唾液分泌量の低下がむし歯や歯周病のリスクを高めることが示されています。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp
つまり、花粉症による鼻づまり→口呼吸→口腔乾燥→細菌増殖という流れで、お口の環境が悪化しやすくなるのです。
花粉症治療薬の影響
抗ヒスタミン薬の一部には「口渇」という副作用があります。お口の乾燥が続くと、プラークが停滞しやすくなり、歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。
そのため、花粉症シーズンは通常よりも丁寧なセルフケアと定期的なチェックが重要です。
当院では、花粉症の時期に以下のような対策をおすすめしています。
① 痛みの原因を正確に診断
レントゲン検査や視診を通じて、歯が原因か、副鼻腔由来かを慎重に判断します。必要に応じて医科と連携し、適切な受診をご提案します。
② 乾燥対策を取り入れたケア指導
- フッ素配合歯磨剤の活用
- 就寝前の保湿ジェルの使用
- こまめな水分補給
など、口腔乾燥を前提としたケア方法をご案内しています。
③ プロフェッショナルクリーニング
花粉症シーズンは炎症が起こりやすいため、専門的なクリーニングで細菌量をコントロールすることが有効です。日本歯周病学会でも、歯周病予防における専門的管理の重要性が示されています。
参考:日本歯周病学会
https://www.perio.jp
④ 生活習慣へのアドバイス
- 鼻呼吸を意識する
- 就寝時の加湿
- 早めの花粉症治療開始
といった生活面の見直しも、お口の健康維持につながります。
まとめ
花粉症は鼻や目の症状だけでなく、歯の痛みやむし歯・歯周病リスクの増加といった形でお口の健康にも影響します。
「むし歯ではないのに歯が痛い」
「花粉症の時期だけ歯ぐきが腫れる」
その背景に、副鼻腔炎や口腔乾燥が隠れていることがあります。
気になる症状がある場合は、自己判断せず一度歯科でのチェックをおすすめします。当院では科学的根拠に基づいた説明を行い、患者さま一人ひとりに合わせたケアをご提案しています。どうぞお気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を代替するものではありません。症状には個人差があります。


