みなさんこんにちは!
歯を守る歯科西新宿五丁目の歯科衛生士の園川です^^
みなさんは唾液の役割を知っていますか?
私たちの口の中で常に分泌されている唾液には、健康に関わる様々な働きがあり、私たちの身体にとってなくてはならないものです。今回は、唾液の役割について書かせていただきます!
●唾液の主な役割
唾液は私たちの口の中で、1日になんと1~1.5リットルも分泌されています。ピンとこない方は、ペットボトルでイメージしてみてはいかがでしょうか。
●唾液の役割
・消化のサポート
口から取り込んだものを溶かして、分解しやすい状態にします。唾液のサポートがなければスムーズな消化は行われません。唾液に含まれる「βアミラーゼ」が、デンプンの分解を手助けします。つまりパンや米などの炭水化物が、口の中である程度消化されることによって胃腸の負担が軽くなります。
・粘膜を刺激から守る
口の中には舌や頬といった柔らかい組織と、骨や歯などの硬い組織が共存しています。粘膜が傷付くことを防ぎ、口内炎ができにくい状態にしてくれます。
・洗浄作用が見込める
歯の表面や舌の表裏など、口の中に残った食べカスを洗い流す役割があります。
・殺菌・抗菌作用が期待できる
リゾチームやラクトフェリンなどの抗菌作用で、口腔内からの細菌の侵入を防いでくれます。全身の健康維持を手助けしてくれます。
・口腔環境を中和してくれる
普段の口の中は中性の状態ですが、食事をすると酸性に傾きます。酸性の状態が長時間続くと、歯の表面が溶けて細菌が侵入しやすくなります。唾液の中和作用は、虫歯予防に効果的です。
・再石灰化を助ける
超初期段階の虫歯であれば、再石灰化によって自然治癒する可能性があります。唾液中のカルシウムやリン酸が歯の表面につくと、再石灰化を促してくれます。
・不要な物質を排出してくれる
口の中に入ったウイルスやホコリ、小さな塵などを体外へ排出するのをサポートしてくれます。
他にも
・味覚作用⋯味を感じやすくする
・排泄作用⋯体内に投与された薬物、化学物質、貴金属は、血中濃度が高い場合唾液中に排泄される
・水分代謝作用・・・体が脱水状態になると、唾液の分泌速度が減少する。その結果口腔乾燥状態になり、情報が伝達され、尿の生成を抑制し、飲水行動を促進する。
・歯質保護作用⋯唾液のタンパク質や糖タンパク質は歯質にペリクルという薄い膜を作り、酸が歯を溶かすことを防ぐ。
こんなにいっぱいの作用があるんです! 唾液はとってもいい働きをしてくれています◎
●唾液の分泌が減少する原因
・加齢による身体的変化:筋力の低下、更年期による女性ホルモンの減少など
・病気やその治療薬によるもの:薬の副作用、病気(高血圧症、糖尿病、鼻閉、腎機能障害、シェーグレン症候群、IgG4関連疾患)によるもの
・生活習慣:口呼吸、ストレス、喫煙
などがあります。
●唾液の分泌が少ないとどうなる?
・歯周病になりやすい
通常は唾液の抗菌作用によって細菌の量が調整されていますが、分泌量が少ないと細菌が活発に働いて歯周病を発症しやすくなります。
・虫歯になりやすい
分泌量が少ないと、十分な洗浄作用が見込めません。食べカスが口の中に残りがちになり、虫歯菌がどんどん繁殖して歯を徐々に蝕み、やがて虫歯になってしまいます。
・口内炎ができやすくなる
唾液は潤滑油のような役割を果たしており、少ないと口腔内を傷付けやすくなります。そこから細菌が侵入し口内炎ができやすくなります。
・口腔内にカビが生じる
口の中には多数の常在菌が存在しており、カビの一種である「カンジダ」もそれに含まれます。分泌量が少ないと、菌が活発化して口の中がカビだらけになるかもしれません。
・入れ歯が外れたり痛んだりする
人体の中で一番硬い部位が歯だといわれていますが、歯肉はそれほどでもありません。衝撃や摩擦、刺激に弱いため、唾液不足で入れ歯と歯肉の間が乾燥すると痛みが出る場合があります。
●唾液を増やす対処法
お口が乾燥したときには唾液腺を刺激する『唾液腺マッサージ』が効果的です。口の周りにある3つの唾液腺をマッサージして刺激し、唾液の分泌を促します。

・耳下腺(じかせん)
耳たぶの少し前方、上の奥歯のあたりを指全体で回すように優しくマッサージします。
・舌下腺(ぜっかせん)
顎の先の内側、舌の付け根の真下部分を押し上げるように、親指で押すようにマッサージします。
・顎下腺(がっかせん)
顎の骨の内側を、耳の下から顎の先まで押すように優しくマッサージします。
その他、
- こまめに水分を摂取する
- しっかりよく噛める口内環境を作る
- 口の筋肉を意識的に動かす
- 保湿剤を使用する
なども唾液の量を増やすことが期待できます。
唾液は些細なことで分泌量が減ってしまいますが、少しの意識で増やすことも可能です。
刺激が少ない就寝時は日中よりも唾液の分泌量が減り、磨き残しが歯石に変わる確率が高くなります。唾液量の減少に伴う就寝中のトラブルを防ぐためには、正常な量の唾液を分泌する必要があります。就寝前は丁寧にお口のケアを行なったり、歯科医院で定期的な歯のクリーニングを行うなど、できることから始めていきましょう!
また唾液検査を用いて、口腔内の状況を科学的に測定したうえでの定期健診をご提案も可能です。
虫歯や歯周病リスクを細かく分析し、一人ひとりのお口の状況に応じて、効果的な予防計画を作成できます。同時に歯ブラシや歯磨き粉のアドバイスも可能です。ぜひ虫歯や歯周病を根本から予防したい方は、唾液検査をおすすめします。
唾液検査はこのような方におすすめです。
- 何度も虫歯になってしまう方
- しっかりケアしているつもりなのに虫歯ができてしまう方
- 効率的に虫歯・歯周病予防に取り組みたい方
- 自分に合った予防メニューを選びたい方
- 歯周病治療がなかなかうまく進まない方
- 年齢を重ねてからも歯を多く残したい方
- 歯科医院で行うケアの間隔を伸ばしていきたい方
検査は5分で行えるので、手軽に検査が可能です。定期的に検査することで口腔内の経時的変化が分かります。検査結果をもとにケア用品をご提案したり、歯周病や虫歯予防について説明いたします。
ご自身でも検査結果が分かるので、治療や予防の必要性を理解して頂きやすくなります。
気になった方は是非スタッフにご相談くださいね^^
歯を守る歯科では、歯の健康、全身の健康を守るためにサポートさせていただきます!皆様のご来院を心よりお待ちしております。