歯周病が口以外に与える影響とは?~全身疾患との関係~

歯周病が口以外に与える影響とは?~全身疾患との関係~


みなさんこんにちは!

歯を守る歯科西新宿五丁目の歯科衛生士の園川です^^

先日、法人の経営方針発表会がありました!

理事長からのお話を聞いて、

医院がどこを目指しているのか、そのために一人ひとりが何を大切にして行動するのかを共有できました。

また本日から歯を守るために頑張って参りますので、よろしくお願いしますm(_ _)m

経営方針発表会の様子①

「歯周病は歯ぐきの病気」と思っていませんか?

「歯ぐきから血が出るけれど、痛くないから大丈夫」
「歯周病って、歯が抜ける原因になる病気でしょ?」

このように、歯周病を「お口の中だけの病気」と考えている方は少なくありません。

もちろん、歯周病は歯ぐきの腫れや出血、歯を支える骨の破壊などを引き起こし、最終的には歯を失う原因にもなる病気です。

しかし近年では、歯周病と糖尿病、心血管疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患、慢性腎臓病、妊娠・出産など、全身の健康との関連も研究されています。

厚生労働省も、歯周病と糖尿病、関節リウマチ、脳梗塞、動脈硬化に伴う狭心症・心筋梗塞、呼吸器疾患、慢性腎臓病、妊娠などとの関連が報告されているとしています。

では、なぜ歯ぐきの病気が全身の健康と関係するのでしょうか?

今回は、歯周病と全身疾患との関係について書いていきます。

歯周病は「お口だけ」の問題ではありません

結論からいうと、歯周病と全身の健康には深い関係があります。

特に重要なのが「糖尿病」です。

糖尿病があると歯周病が悪化しやすく、反対に進行した歯周病があると血糖コントロールに影響する可能性があります。

つまり、

糖尿病 → 歯周病が悪化しやすい

だけではなく、

歯周病 → 糖尿病のコントロールにも影響する可能性がある

という双方向の関係が考えられています。

日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2024」でも、糖尿病と歯周病の関係について取り上げられています。

ただし、ここで大切なのは、「歯周病があるから必ず全身疾患になる」という意味ではないということです。

歯周病と全身疾患には、共通する生活習慣や喫煙、年齢、肥満などの要因もあります。

そのため「歯周病を治せばすべての病気が治る」という単純な話ではありません。

しかし、歯周病を適切に治療し、お口の炎症をコントロールすることは、全身の健康を考えるうえでも大切なのです。

経営方針発表会の様子②

なぜ歯周病が全身に関係するのでしょうか?

① 歯周病は「慢性的な炎症」です

歯周病は、歯の周囲に付着したプラーク中の細菌などによって、歯ぐきに炎症が起こる病気です。

炎症が進むと、歯ぐきだけではなく歯を支える骨などにも影響します。

厚生労働省も、歯周病の主な原因は細菌性プラークであり、炎症が進行すると歯を支える歯周組織にまで波及すると説明しています。

歯周病が進行すると、炎症に関係する物質が体内に影響を及ぼしたり、歯周病原菌などが血流を介して全身に影響する可能性が考えられています。

そのため、歯周病は「歯ぐきだけの炎症」として考えるのではなく、全身の健康との関係からも考えることが重要です。

② 糖尿病との関係

歯周病と特に関係が深いのが糖尿病です。

糖尿病になると感染に対する抵抗力が低下し、歯周病が悪化しやすくなることがあります。

一方、進行した歯周病では体内の炎症状態が続くことで、血糖コントロールに影響する可能性があります。

厚生労働省も、糖尿病と歯周病には双方向の関連があるとし、歯周病治療によってHbA1cが改善することがあると説明しています。

そのため糖尿病の患者さんでは、内科だけでなく歯科で歯周病を管理することも大切です。

③ 心臓や血管の病気との関係

歯周病は、動脈硬化に伴う狭心症・心筋梗塞などの心血管疾患や脳卒中との関連も報告されています。

歯周病と心血管疾患の間には、炎症や細菌、生活習慣など、さまざまな要因が関係すると考えられています。

ただし、「歯周病が心筋梗塞を直接起こす」と断定できるわけではありません。

現在の研究では関連性が示されている一方、病気同士の因果関係については慎重に考える必要があります。

厚生労働省も、歯周病と脳卒中や動脈硬化に伴う心疾患との関連について報告しています。

④ 誤嚥性肺炎など呼吸器疾患との関係

高齢になると、食べ物や唾液が誤って気管に入る「誤嚥」が起こることがあります。

お口の中には多くの細菌が存在しているため、口腔内の衛生状態が悪いと、誤嚥した際に肺へ細菌が入り、誤嚥性肺炎につながるリスクがあります。

特に高齢者では、歯周病の治療だけでなく、歯磨きや舌の清掃などを含めた口腔ケアが重要です。

⑤ 妊娠・出産との関係

妊娠中も歯周病には注意が必要です。

妊娠中はホルモンバランスの変化などによって歯ぐきに炎症が起こりやすくなることがあります。

また、歯周病と早産・低体重児出産との関連も報告されています。

ただし、こちらも「歯周病があれば必ず早産になる」という意味ではありません。

厚生労働省は、妊娠・出産と歯周病との関連が報告されていることを示しています。

妊娠を考えている方や妊娠中の方も、お口の状態を一度確認しておくことが大切です。

歯周病から全身の健康を守るためにできること

では、私たちは何をすればよいのでしょうか?

一番大切なのは、歯周病を早期に発見し、炎症をコントロールすることです。

① 毎日の歯磨きを見直す

歯周病予防の基本は、プラークをできるだけ残さないことです。

ただし、「毎日歯磨きをしている=十分に磨けている」とは限りません。

歯と歯の間や歯ぐきとの境目など、磨き残しやすい場所を確認し、自分のお口に合った歯磨き方法を身につけることが大切です。

必要に応じて、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシなども活用しましょう。

② 歯科医院で定期的にチェックする

歯周病は、初期には痛みなどの自覚症状が少ないことがあります。

そのため、症状がなくても定期的に歯科医院で、

  • 歯ぐきの腫れや出血
  • 歯周ポケット
  • 歯を支える骨の状態
  • プラークや歯石
  • 噛み合わせ
  • セルフケアの状態

などを確認することが大切です。

日本歯周病学会の「歯周治療のガイドライン2022」でも、患者さん自身によるプラークコントロールに加え、歯周ポケット内のプラークや歯石を除去し、その後も再発防止のために定期的なメインテナンスを行うことが重要とされています。

③ 全身の病気についても歯科医院に伝える

糖尿病、高血圧、心臓病、腎臓病などで治療を受けている方は、歯科医院にもそのことを伝えてください。

服用している薬によっては、歯ぐきに影響するものもあります。

また、歯科医院で気になる全身状態が見つかった場合には、必要に応じて医科の主治医と連携することもあります。

「歯の治療だから、全身のことは関係ない」ではありません。

お口と全身を別々に考えるのではなく、健康を守るために歯科と医科が連携することが大切です。

まとめ:歯ぐきを守ることは、全身の健康を考えること

歯周病は、歯を失う原因になるだけではありません。

糖尿病をはじめ、心血管疾患、脳卒中、呼吸器疾患、慢性腎臓病、妊娠・出産など、さまざまな全身の健康との関連が報告されています。

もちろん、歯周病がすべての全身疾患の原因になるわけではありません。

しかし、お口の炎症を放置しないことは、全身の健康を守るうえでも大切な習慣です。

「歯ぐきから血が出る」
「歯ぐきが腫れている」
「口臭が気になる」
「歯が以前より動く気がする」

このような症状がある方は、一度歯科医院で歯周病のチェックを受けてみましょう。

痛くなってから治療するのではなく、病気を早く見つけ、悪化させないこと。

それが、いつまでも自分の歯で食事を楽しみ、健康な毎日を過ごすための第一歩です。

歯を守る歯科では、歯周病の検査・治療だけでなく、患者さん一人ひとりの生活習慣や全身の健康状態も考慮しながら、長期的なお口の健康管理をサポートしています。

「自分は歯周病かもしれない」と思ったら、症状が軽いうちにお気軽にご相談くださいね。

ご来院お待ちしております!

経営方針発表会の様子③